Our Vision

弊社は本年8月をもちまして、設立15年目の節目を迎えることができました。
これはひとえに皆々様からいただいたご支援ご厚情の賜物でございます。
この場をお借りして衷心より感謝申し上げます。

振返ればこの年の翌9月には、サブプライムローンの焦げ付きに端を発し、米欧金融機関の経営が急速に悪化する中、米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻しました。金融危機が世界的に深刻化し、米株価が1万ドルを割り込む暴落となり、当然、日本にも影響を及ぼし、日経平均株価も7,000円を割り込む事態になる、そんな不安定な年がスタートでした。
輸入資源に頼る日本企業の多くは、資源価格の高騰によるコスト増で経営が圧迫され、商品・サービスに価格転嫁すると国内需要も落ち込むという悪循環に陥っていて、日本の実質GDP成長率は2008年から2年連続のマイナスとなり、倒産件数は増加し、内定取り消しや、派遣切りが社会問題化していました。
1990年のバブル崩壊、1997年の消費税増税と金融危機、そしてこの2008年のリーマンショックを経て、2011年の東日本大震災、2019年のコロナ感染拡大と、先進国の中で唯一事実上のゼロ成長が続く「失われた30年」を日本経済はたどります。

新型コロナウイルス感染拡大から2年以上が経過した世界は今、経済社会活動の抑制から、ワクチン接種が進み、ようやく経済活動の正常化に向けた取組みが動き出しました。景気が世界的に持ち直したことで需給がひっ迫し、脱炭素の取り組みを背景にした原油価格の高騰に賃金上昇が伴い、インフレへの対応に課題が移りました。そこにロシアによるウクライナ侵略が原材料価格の高騰に拍車をかけています。
日本においては、日米の金利差拡大による円安が、コロナ禍やウクライナ情勢とあいまって、物価上昇を招いており、このまま円安が続けば、インフレになりかねません。日本がインフレ転換すれば、2000年代の長期デフレがどこかに行ってしまい、「失われた30年」が解消されるのでしょうか。
人口減少・少子高齢化、潜在成長率の停滞、気候変動問題などへの対応は引き続き大きな課題として残されおり、むしろ、生活実感としては、景気後退で賃金が上がらないにもかかわらず物価が上昇するスタグフレーションを予感させます。

この「失われた30年」をまねいた原因は、今もなお日本社会に根強く残る「ムラ社会」的な「日本人や日本社会が持つ意地悪で不寛容なマインド」だと指摘される評論家の方がいます。元来日本人は、「おもてなし」や「思いやり」、「和」や「絆」を尊ぶ国民性のはずですが、会社や学校など集団活動でのいじめや差別、SNSでの誹謗中傷やバッシングなど、足を引っ張ったり、出る杭を打ったりする不寛容な行動が、そもそも自己肯定に遠慮気味で、個人の自由に対する意識の低いネガティブなマインドセットが、コロナ禍で一気に負の側面として噴き出したのです。パンデミックはパニックを煽り、自己保身や猜疑心、責任転嫁を生み、譲り合いやゆとりの心は生まれません。
本来なら知恵を絞り、新しい付加価値を生み出していく必要があるのに、既得権益を守るために「変化」を拒絶し、過去の成功体験から抜け出せずに、同調圧力と足の引っ張り合いをし続けた結果、成長のチャンスを自ら逃して「失われた30年」に漂っているのです。

しかしながらいつまでもセンチメンタルに嘆き悲しんでばかりではいられません。これまでが「失われた30年」というのなら、これから先は「開き直った5年」「取り戻した10年」と呼ばれるようにして行きたいと思います。
そのためには、弊社のこれまで推し進めてきた「しなやかな発想」と「機敏な行動」にさらに磨きをかけ、新しい『企業価値の創造』をお客様とともに作り上げて参りたいと存じます。
今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

2022年8月5日

valuepower

「価値」の最大化を計るためにはあらゆる「力」を集結させなければなりません。そうして創出された新たな「価値」はさらに最高の「力」をもたらします。シンボルカラーは情熱を、デザインは「価値」を支える「力」を表現しています。